[YRS3-3] The challenges of collaboration between different fields for younger researchers; #1
Multilineage-differentiating stress enduring(Muse)細胞はSSEA-3を指標として生体内に存在する非腫瘍性の多能性幹細胞として同定された。多様な細胞へと分化する能力を有し,骨髄から末梢血に動員されて様々な臓器の恒常性の維持に関わっていると考えられている。これまでに様々な障害モデルにおいて治療効果を発揮することが明らかとされており,現在では国の承認を受けて(株)生命科学インスティテュートがドナーMuse細胞の点滴による心筋梗塞や脳梗塞,脊髄損傷などへの治験を開始している。再生医療の分野は医学・理学・工学など幅広いジャンルの研究者が携わっている。そしてそれらの知識や技術がお互いを支えあって一つの治療が作られている。そのなかで,当研究室と鳥取大学医学部感染制御学講座細菌学分野との間で,腸管出血性大腸菌感染症に対するMuse細胞投与の治療効果に関する共同研究が行われた。その結果,移植されたMuse細胞は,脳の保護作用を示すとともに脳神経細胞へと分化することで脳の機能を再生していることが明らかとなった。本セッションでは,感染症と再生医療という異なる分野間での共同研究によって見えてきた問題点や苦労した点について双方の視点から考察したい。