[JRS] Research Presentation by Junior High School andHigh School Students

[JRS-7] The possibility of the antimicrobial phone cases using biomimicry

Shion Kitamori, Kento Morita, Yuya Yamaguchi, Yuki Imamura, Itsuki Kurata, Yusei Nakagoe, Masato Hachikubo, Kazuhiro Moriwaki (Kumamoto Prefectural Kumamoto Kita High School)

新型コロナウイルス感染症の流行により，消毒液の需要が高まり，アルコール消毒液の入手が困難な状況が生まれた．昨年度の研究では，市販のアルコール消毒液は，商品によって濃度が異なっているため，非常時にアルコール濃度を減らしつつ抗菌効果が維持できる濃度の検討と，添加物を加えることで，低濃度でも抗菌効果を高めることができないかを調査し，エタノール濃度50%と70％では，抗菌効果に大きな差が見られたため，希釈する際にも，70%以上の濃度を維持する必要があることが示唆された．また，伝承薬として抗菌作用が期待できる植物抽出液を添加して，抗菌効果を比較した結果，ヨモギとカイワレの葉の30%エタノール植物液で高い抗菌性が見られた．
今回の研究は，抗菌作用がありそうな生物表面構造を探すことを目的とした．先行研究にでは，セミやトンボの翅，ハスの葉で抗菌性が報告されている．本研究では，落花生の殻や卵の殻，大豆の殻や白菜・キャベツ等の表面を利用する．これらの材料に透明マニキュアを塗り，セロハンテープを貼って型を取り，表面構造をマイクロスコープで確認する．すでに抗菌性が報告されている動物や植物の表面構造の共通点や相違点を調査し，抗菌作用のある表面構造の特徴を明確にすることを目的とする．また，スマートフォン表面の細菌数を，LB培地で培養し調査する．この結果と，抗菌性が期待される生物由来の材料をLB培地上に置いて培養した結果を比較し，抗菌性を検証する．抗菌性の高い生物表面構造表面構造を利用し，スマホケースや保護フィルムの構造に役立てることができるのではないかと考えた．