第95回日本細菌学会総会

講演情報

学会企画 中・高校生研究発表セッション

[JRS] 中・高校生研究発表セッション

2022年3月29日(火) 14:30 〜 19:25 チャンネル3

コンビーナー:河村 好章(愛知学院大学),寺尾 豊(新潟大学),垣内 力(岡山大学)

[JRS-9] 最適な手洗い方法とは ―培養実験を用いた検証―

伊藤 汐音 (お茶の水女子大学附属高等学校)

2019年12月,世界に新たな脅威が発生した.新型コロナウイルスという目に見えないウイルスが一瞬のうちに世界中の経済,従来の生活様式,医療環境などを混乱に陥らせ,多大な犠牲者を出し,国際的な問題となった.様々な変化のうち私達高校生にとって大きな変化を感じることとなったのは生活様式,特に手洗いなどの日常における衛生面での変化だ.ウイルス感染への予防として厚生労働省は手洗いと咳エチケット(マスク着用)の2つを効果が高いとして挙げている.手洗いはどの部位をどんな順序で洗うか,マスクは着用方法がイラストとともに,書かれている.私はこの呼びかけの内容に疑問を感じた.マスクは誰にでも同じように着用できるが,手洗いでは用いる石鹸や洗う時間などによって個人差があるのではないか.そこで,自身の研究において,最適な手洗い方法とは何か,ウイルスではなくまずは菌について手洗い効果の裏付けを培養実験によって明らかにすることにした.研究の初めに感染拡大前後でのウイルスへの関心や手洗い方法の変化について本校1~3年の48名に簡単なアンケートを行った.結果より新型コロナ感染拡大前後でウイルスへの関心の上昇,1日当たりの平均手洗い回数や手洗いにかける時間の大幅な増加が数値として明らかになったとともに生徒がどのような場所や部位に菌が多いと考えているかも分かった.その後,手洗い順序や回数,時間,手洗いに用いる様々なタイプの石鹸,アルコールを培養実験で比較実験し,培養によって発生した菌の分析を専門家の方と行い,最適な手洗い方を考察した.