The 95th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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[ODP12] 3. Physiology / Structural biology -c. Signal transduction (intracellular and intercellular)

[ODP-056] Two component signal transduction system and stress response of Campylobacter jejuni

Kanta Hamaguchi1, Rina Takada2, Kaito Morinaga2, Sae Hisaoka2, Akira Akasaka2, Yoko Eguchi1,2 (1BOST. Grad. Sch, Kindai Univ., 2Dept. Sci Tech on Food Safety, BOST, Kindai Univ.)


【目的】Campylobacter jejuniは多くの食中毒の原因となっているにも関わらず,環境ストレスに非常に弱いとされている.標準株であるC. jejuni NCTC11168株の二成分情報伝達系(TCS)では,センサーであるヒスチジンキナーゼ(HK)が7種,レスポンスレギュレーター(RR)が12種予想されている.これらのTCSは,C. jejuniが環境変化に適応するために機能していると考えられているが,未だ明らかになっていない点も多く残っている.本研究では,C. jejuniのTCS破壊株コレクションを完成させ,様々な環境ストレスに対する応答を野生株と破壊株を用いてストレス応答を測定することで,TCSとストレス応答に関する新奇知見の取得を目的とする.
【方法】供試菌として,NCTC11168株を用いてゲノム上のTCS遺伝子破壊株を作製した.各破壊株の増殖曲線は,OD660= 0.01に調整した菌液を37°C, 10% CO2, 18.8% O2で,72時間150 rpmで振とう培養を行って作製した.ストレス耐性試験は,酸・乾燥・塩・温度・浸透圧・酸化ストレスを各条件で検討する.
【結果・考察】現在,RR破壊コレクションは,10種中8種の作成が完了している(2種は必須遺伝子なので作成不可).HK破壊株コレクションは,7種中5種の作成が完了している.各種ストレス試験開始前に,TCS遺伝子破壊によって増殖に影響を及ぼすかを検討したところ,racR破壊株は野生株と比較して増殖速度が遅延していた.宿主への定着に関与するracRを破壊することで,増殖速度が遅延することが報告されており,実際に増殖遅延が再現できた.現在は,各種ストレス試験の条件検討を進めており,条件が確立次第RR破壊株・HK破壊株を用いて,種々のストレス試験を行う.