The 95th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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[ODP18] 4. Genetics / Genomics / Biotechnology -c. Gene regulation and transcriptome analysis

[ODP-084] Intra-Macrophage Expression of ArtAB Toxin Gene in Salmonella

Rin Satoh1, Ikuo Uchida1, Shou Miura1, Ryo Murata1, Yukino Tamamura2, Kanetaka Tokugawa1, Miho Beppu1, Chiharu Nozaki1, Masahiro Kusumoto2 (1Dept. Pathobiol., Sch. Vet. Med., Rakuno Gakuen Univ., 2Div. Bacterial and Parasitic., Animal Health Inst.)


【背景】Salmonella Typhimuriumファージ型DT104 ,S. Worthington(SW)などのサルモネラ属菌が百日咳毒素と類似した毒素ArtABを産生することが報告されている.これまでの研究により,artAB遺伝子はマイトマイシンC ,H2O2などの処理により誘導的に発現することが知られているが,in vivoでの発現は不明である.そこで本研究ではDT104をマクロファージ様細胞RAW264.7に貪食させ,リアルタイムPCR法により細胞内におけるartABの発現について解析した.
【方法】DMEM培地でRAW264.7細胞を培養後,PMAを添加し,マクロファージ由来のH2O2産生を誘導した.そこへ一晩振とう培養し正常マウス血清によりオプソニン化したDT104を加えインキュベートした.その後,ゲンタマイシン処理により細胞外の菌を除去し,細胞を溶解して得られた細胞内の菌からtotal RNAを抽出した.このRNAを用いて,リアルタイムPCR法で各遺伝子の発現量を定量した.
【結果と総括】RAW264.7細胞内のDT104のartA発現量は,in vitroでの発現量と比較して有意に増加し,PMAで処理した群では,無処理群と比較し発現量がさらに増加していた.これらのことからartABはRAW264.7細胞内で誘導的に発現し,その発現誘導はマクロファージ由来のH2O2で増強することが示唆された.また,DT104ではoxyRとc1の発現量に有意な変化が認められなかったが,SWでは細胞内でoxyRとc1の有意に増加し,artAの有意な増加が見られなかった.以上より,マクロファージ内におけるDT104のartABはH2O2により誘導的に発現するが,SWのようにoxyRの発現応答が強い菌ではC1によりファージ誘導が抑制されるためにartABの細胞内発現が弱くなることが示唆された.