The 95th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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[ODP22] 5. Pathogenicity -b. Toxins, effectors and physically active substances

[ODP-128] Functional analysis of a novel cell wall-anchored glycosidase of Streptococcus intermedius

Toshifumi Tomoyasu, Atsushi Tabata, Hideaki Nagamune (Div. Biosci. & Bioindust., Grad. Sch. Tech., Indust. & Social Sci., Tokushima Univ.)


【目的】ヒト口腔内常在菌のS. intermedius(SI)は,日和見的に深部臓器に重篤な膿瘍感染症を引き起こす.我々は,細胞壁アンカータンパク質であるMsgAやNanAなどのグリコシダーゼによる糖鎖分解産物がSIの主要病原因子であるインターメディリシンの発現を活性化することを明らかにしている.SIは,それら以外にGH85ドメインを保有しエンドN-アセチルグルコサミニダーゼ(ENGase)を示す可能性がある細胞壁アンカー型タンパク質(ENGと仮称)をコードする遺伝子を保有する.そこで,ENGがENGase活性を示すか否かを調べる目的でこのタンパク質の発現・精製を行った.
【方法】ENGの精製は,このタンパク質に6Hisタグを連結しNi-NTAカラムを用いることで行った.エンドN-アセチルグルコサミニダーゼ活性の有無はコロイドキチンや糖タンパク質(α1-アンチトリプシン,ホロトランスフェリン,フェチュイン)の糖鎖分解活性を調べることで行った.
【結果と考察】ENGにコロイドキチンや糖タンパク質を作用させても,これまでのところ糖鎖分解活性は確認されなかった.しかしながら,ENGと糖タンパク質を混合してNi-NTA樹脂を用いてプルダウンアッセイを行った結果,ENGと糖タンパク質が相互作用している可能性を示す結果が得られた.現在,この結合が糖タンパク質の糖鎖とGH85ドメインの結合によるものか否かについて解析を進めている.さらに,この結合がSIの病原性に果たす役割についての解析も進めている.
【会員外共同研究者:多田 雄哉(徳島大・生物資源産業学部)】