[ODP22] 5. Pathogenicity -b. Toxins, effectors and physically active substances

[ODP-133] Production and molecular characterization of mitilectin homolog derived from S. mitis

Hiroki Oda¹, Airi Matsumoto², Atsushi Tabata^1,2, Toshifumi Tomoyasu^1,2, Hisashi Ohkuni³, Hideaki Nagamune^1,2 (¹Div. Bioresour. Sci., Grad. Sch. Sci. & Tech. for Innov., Tokushima Univ., ²Div. Biosci. & Bioindust., Grad. Sch. Tech., Indust. & Soc. Sci., Tokushima Univ., ³Health Sci. Res. Inst. East Japan Co. Ltd.)

【目的】我々は，近年Streptococcus pseudopneumoniae（SPpn）で見いだされ，SPpnを含むミチス群レンサ球菌に分布しN末分泌シグナルを有するコレステロール依存性細胞溶解毒素（CDC）様の宿主細胞定着因子Mitilectin（MLC）の分子特性を報告した．本研究では，川崎病児に由来し，SPpnのMLC遺伝子（mlc）ホモログを持つStreptococcus mitis（SM）のNm-65株に注目し，そのMLCホモログの産生特性及びSPpn由来MLCとの分子特性の比較検討を行った．
【方法】Nm-65株由来MLCホモログは，大腸菌発現系でN末Hisタグ化組換え体として調製した．MLC組換え体の分子特性は，ヒト赤血球溶血性やヒト株化培養細胞結合性を指標として検討した．MLCホモログの産生特性は，抗血清で免疫化学的に評価した．
【結果と考察】組換え体での検討結果から，Nm-65株由来 MLCホモログに溶血性は確認されず，ヒト細胞への結合性が確認され，Nm-65株由来MLCホモログもSPpn由来MLCと同様の分子特性を持つと考えられた．また，塩化コリン存在下で自己溶菌を抑制した条件では，MLCホモログの産生が抑制されたが，MLC類縁分子でありN末分泌シグナルを持つCDCのSM由来ヒト血小板凝集因子（Sm-hPAF）の発現量や分泌性には変化は無かった．従って，Sm-hPAFとMLCホモログは生存環境によって異なる発現制御を受けることが示唆され，この知見はMLCホモログとCDCを共産生するSMのヒト病原性を検討する上で非常に興味深いと考えられた．