The 95th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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[ODP23] 5. Pathogenicity -c. Cell invasion and intracellular parsitism

[ODP-143/W9-3] Development of NanoBiT assay system for evaluating pneumococcal virulence, and its application

Sayaka Shizukuishi1,2, Michinaga Ogawa1, Yukihiro Akeda1, Akihide Ryo2, Makoto Ohnishi1 (1Bacteriol. I, Nat. Inst. Infect. Dis., 2Dept. Microbiol., Yokohama City Univ., Grad. Sch. Med.)


肺炎球菌は主にヒトの鼻咽頭に常在し通常は無症候性であるが,小児や免疫力が低下した高齢者では敗血症や髄膜炎といった侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)を引き起こすことが知られている.IPD発症には肺炎球菌が鼻咽頭上皮細胞をはじめとした宿主細胞への侵入を経て,エンドソーム膜を損傷することで細胞内殺菌を回避する必要がある.そこで,肺炎球菌の宿主細胞への付着,エンドサイトーシス経路による細胞侵入,そしてエンドソーム膜損傷を統合的かつ簡便に定量化できるアッセイ系を構築し,IPDに対する治療法開発の標的となる病原因子の探索を行った.従来,細胞内付着および侵入菌数の定量化には寒天平板菌数算定法が用いられてきたが,この方法は複雑で熟練を要する上に,翌日にコロニー数をカウントしないと結果が得られないという大がかりな実験が必要であった.そこで,今回我々はルミノアッセイ系を導入し,培養細胞への肺炎球菌の付着菌数およびエンドソーム膜損傷度合いを簡便に定量化するアッセイ系の構築を行った.その結果,付着菌数の定量化には深海エビ由来のナノルシフェラーゼであるNanoLucを用い,エンドソーム損傷度合いの定量化にはHiBiTとLgBiTからなるスプリット型NanoLucであるNanoBiTを用い簡便にアッセイする方法を確立することができた.さらに,構築したアッセイ系を用いて肺炎球菌が宿主細胞に付着,侵入,そしてエンドソーム膜を損傷するために必要な病原因子の探索を行ったところ,興味深い結果が得られたので報告する.