The 95th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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[ODP23] 5. Pathogenicity -c. Cell invasion and intracellular parsitism

[ODP-148] The role of polyamine synthesis and efflux during low Mg2+ stress and during infection in Salmonella

Yumi Iwadate, Rouhallah Ramezanifard, Yekaterina Golubeva, Luke Fenlon, James Slauch (Dept. Microbiol., U of I)


食中毒の原因菌であるサルモネラは,マクロファージ内で生存・増殖する能力を有すため,深刻な全身性感染症を引き起こす.マクロファージ内でサルモネラはマグネシウム飢餓にさらされる.サルモネラのマグネシウム飢餓耐性および病原性に,低マグネシウム環境に応答する二成分制御系PhoPQ系を介した遺伝子発現の制御が必須であることは知られているが,サルモネラがどのように宿主内でマグネシウム飢餓に適応・対抗しているかについてはよくわかっていない.
最近我々は,機能未知であった内膜タンパク質のPaeA(YtfL)が2価のポリアミンであるカダベリンとプトレシンの排出に関与することを示し,サルモネラの病原性に重要であることを見出した.本研究では,ポリアミンがどのように病原性に関与するのか明らかにすることを目的とし,マグネシウム飢餓への耐性に着目して実験を進めたところ,マグネシウム飢餓に応答してPhoPQがpaeA遺伝子の発現を誘導し,PaeAはマグネシウム飢餓の後期段階における生存に重要であることが明らかになった.また,マグネシウム飢餓の初期段階にてポリアミンの合成が誘導され,ポリアミンの合成遺伝子群の欠損変異株はマグネシウム飢餓の初期段階から生存能を失うことを見出した.以上の結果および他の解析より,サルモネラはマグネシウム飢餓にさらされると,ポリアミン合成系とマグネシウムの取り込み系を誘導し,細胞質のマグネシウムレベルが回復するまで,ポリアミンがマグネシウムの役割を部分的に果たし,細胞質のマグネシウムレベルが回復した後は,過剰な2価カチオンの毒性を回避するために,PaeAはポリアミンを排出することが考えられた.