The 95th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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[ODP30] 7. Antimicrobial agents and resistance -a. Antimicrobial agents

[ODP-202] Inactivation of human norovirus by chlorous acid water, a novel chlorine-based disinfectant

Hisataka Goda1,2, Haruyuki Imaohji3, Hitoshi Yamaoka2,3, Ayano Tada3, Tamiko Nagao4, Tomohiko Fujisawa1, Hajime Koyama3, Tomomi Kuwahara3 (1Lab. Food Hygiene, Appl. Life Sci. Nippon Vet., and Life Sci., Univ., 2Sankei Co. Ltd., 3Dept. Microbiol, Med, Kagawa Univ., 4Dept. Sci. Human Health. Shikoku Univ. Junior College)


ヒトノロウイルス(HuNoV)は感染性胃腸炎の原因として最も頻度が高い.本ウイルスはアルコールに耐性を示す為,その不活化には塩素系消毒剤が使用される.近年,本邦において亜塩素酸水が第2類医薬品として承認されている.本研究では亜塩素酸水製剤のHuNoVに対する不活化効果を検証した.HuNoVとしてgenogroup GII.2及びGII.4を用いた.これらHuNoV株を亜塩素酸水もしくは次亜塩素酸ナトリウム水溶液(NaClO)に暴露し,反応液をRNaseで処理した後に定量的PCR法により残存RNAを定量した.又,ウシ血清アルブミン(BSA),BSA+ヒツジ赤血球(SRBC),ポリペプトンまたは肉エキスなどの有機物負荷条件下での亜塩素酸水のHuNoVに対する不活化効果も検証した.非有機物負荷条件下では,遊離塩素200 ppmの亜塩素酸水は5分以内にHuNoV RNAのコピー数を3.0 log10以上減少させた.0.3% BSAと0.3% SRBCまたは0.5%ポリペプトンという有機物高負荷条件下においても60分以内にHuNoV RNAのコピー数を3.0 log10以上減少させた.一方,有機物負荷条件下での1,000 ppm NaClOのHuNoV GII.4に対する不活化効果は弱く,0.5%のポリペプトン負荷条件下では,60分間の処理でもHuNoV RNAのコピー数を1.0 log10以上減少させることはできなかった.又,亜塩素酸水はシステイン,ヒスチジンおよびグルタチオンなどの特定のアミノ酸に反応するのに対し,NaClOは試験した全てのアミノ酸と反応した.この亜塩素酸水の有機物に対する選択的な反応が有機物高負荷条件でのウイルス不活化効果の維持に寄与していると考えられる.又,亜塩素酸水が有機物汚染度の高い環境下でも微生物不活化作用を発揮できる消毒剤であることを示している.