The 95th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

Presentation information

President Symposium

[PS1] President Symposium 1
Bacteriology ResearchersMemorial Symposium

Tue. Mar 29, 2022 2:30 PM - 4:30 PM Channel 4

Convener: Ken Kikuchi(Tokyo Women’s Medical University)

[PS1-3] In commemoration of scientific achievement of Professor Hiroshi Maeda

Takaaki Akaike (Dept. Environ. Med. Mol. Toxicol., Tohoku Univ. Grad. Sch. Med.)

日本細菌学会名誉会員の前田 浩先生が,昨年5月18日に急逝されました.前田先生との出会いは40年程前に遡ります.当時日沼頼夫先生が主宰されていた熊本大学医学部微生物学教室に東北大学から助教授として赴任されていた前田先生が,日沼先生が京都大学教授に異動され,後任教授に昇格された最初の年に微生物学の講義を受講しました.この時代,熊本大学では,日沼先生が,昭和46年から9年間教鞭を執られ,前田先生は,細菌学とウイルス学の学部教育を引き継いでおられました.前田先生と日沼先生は,日本細菌学会の黒屋奨学賞にそのお名前を冠する黒屋政彦教授と石田名香雄教授が築かれた東北大学細菌学教室のご一門でしたので,熊本大学でも,東北大学方式の微生物学講義と実習を開講されていました.実際,熊本大学で薫陶を賜った当時から今日まで,石田・日沼先生共著の「病原微生物学」を座右の書にしています.加えて,当時,前田先生が講義に招聘されていた非常勤講師として,石田名香雄先生,本間守男先生,金ヶ崎史朗先生(当時東大教授)をはじめ多くの一流の先生方の講義も拝聴しました.前田 浩先生の研究業績は枚挙に暇がないですが,細菌性プロテアーゼの病原性解明により浅川賞を受賞され,また,石田先生が開発されたタンパク質性の抗生物質ネオカルチノスタチンの構造解析にはじまる制癌化学療法の開発,さらに,そのポリマー抱合製剤化による固形腫瘍のEPR効果の発見とがん化学療法への展開により,ノーベル化学賞の候補者と目されていました.本追悼講演会では,故前田 浩先生の偉大なる足跡を時間の許す限りご紹介することで,前田 浩先生の偉業を偲びたいと思います.