第95回日本細菌学会総会

講演情報

企業オンデマンド口頭発表

[SODP] 企業オンデマンド口頭発表

[SODP-2] 新製品On-chip® Droplet Selectorで広がる新たな細菌・細胞単離の可能性

大澤 宏典 (株式会社オンチップ・バイオテクノロジーズ)

【開発背景】
Water in Oil (W/O)ドロップレットは,その1つ1つが小さな反応系として微生物・細胞の培養,遺伝子解析分野において活用され,その解析技術はシングルセル解析や100万サンプルを超える同時並行アッセイが 容易に実現可能なことからハイスループットスクリーニング(HTS)手法として注目されはじめている.
これまでのセルソーターの細胞分離方法は,高速で単離できるもののその速度と引き換えに細胞にダメージを与え,特にシングルセル研究領域では細胞本来の機能や特性を失い培養等では苦戦を強いられる形となった.
この問題を解決するため株式会社オンチップ・バイオテクノロジーズはドロップレット技術に着目し,交換型マイクロ流路チップを用いたドロップレット検出・分離・単離装置「On-chip® Droplet Selector」を開発した.本装置は空気圧制御によりマイクロ流路中でオイルの流れを制御し,その中でドロップレットを高速でシングル検出・分離・プレート分注まで一括で行える装置である.
細菌研究において新しい研究領域にアプローチする装置として既存装置を含めたオンチップ製品の技術・原理を説明する.

【技術紹介】
① On-chip® Sort(マイクロ流路チップ式セルソーター)
② On-chip® Droplet Generator(W/Oドロップレット作製機)
③ On-chip® Droplet Selector(W/Oドロップレット検出・分離・単離装置)
※②③を組み合わせることで,ドロップレットを利用した
②作製・反応 →③ 高速に解析・分離・シングル分注が可能となり
● 環境中から新規微生物の探索
土壌,腸内フローラ,海洋に存在する多様な微生物を封入・培養・単離
● 高生産株を迅速に樹立
ドロップレット内に分泌される酵素や代謝物の検出・分離
● 抗体産生細胞のスクリーニング
安定かつ生産性の高い抗体産生細胞株を取得等に利用実績がある.