[W10-1/ODP-212] Genetic analysis of quinolone resistance in Gemella isolated from clinical specimens
【目的】Gemellaはカタラーゼ陰性通性嫌気性グラム陽性球菌で,感染性心内膜炎などの起因菌として知られている.Gemellaの薬剤感受性はβ-ラクタム系薬をはじめ感性であるが,キノロン系薬に高度耐性を示す株が散見される.今回,臨床検体から分離されたGemella のキノロン耐性について解析を行ったので報告する.
【方法】対象株は臨床検体から分離され,16S rDNAでG. morbillorum (GM-group) と同定された22株とG. haemolysans /G. parahaemolysans /G. taiwanensis (GH-group) と同定された31株とした.薬剤感受性検査はCLSI M45-A3に準拠して行った.遺伝子学的解析はgyrase operon全体を増幅するlong PCRを行い,gyrA,gyrB 遺伝子のdirect sequencingで解析した.また,Hi-Seqによる全ゲノム解析を実施した.
【結果】LVFX耐性率 はGM-groupで10.5%,GH-groupで50.0%であった.LVFX耐性株のMICはすべて>8μg/mLと高度耐性を示した.GM-groupはLVFX耐性の2株中1株でgyrAのS83L変異を認めた.GH-groupはLVFX耐性株すべてgyrAのS83FまたはS83Y変異を認めた.Gemella はparC,parE を保有していなかった.このため,gyrA のQRDR変異のみでキノロンに高度耐性化していた.
【考察】GemellaはHelicobacter,Mycobacteriumのようにtopoisomerase IV(parC,parE)を保有していないことから,容易にキノロン耐性が生じるものと考えられた.LVFX耐性株は高度耐性を示し,GM-groupよりもGH-groupで高頻度 であった.LVFX耐性株では他の菌種でもよく見られるQRDRと同様にgyrA の83番目のアミノ酸変異を認めたことから,Gemella のキノロン耐性機序にも関与していると考えられた.
【方法】対象株は臨床検体から分離され,16S rDNAでG. morbillorum (GM-group) と同定された22株とG. haemolysans /G. parahaemolysans /G. taiwanensis (GH-group) と同定された31株とした.薬剤感受性検査はCLSI M45-A3に準拠して行った.遺伝子学的解析はgyrase operon全体を増幅するlong PCRを行い,gyrA,gyrB 遺伝子のdirect sequencingで解析した.また,Hi-Seqによる全ゲノム解析を実施した.
【結果】LVFX耐性率 はGM-groupで10.5%,GH-groupで50.0%であった.LVFX耐性株のMICはすべて>8μg/mLと高度耐性を示した.GM-groupはLVFX耐性の2株中1株でgyrAのS83L変異を認めた.GH-groupはLVFX耐性株すべてgyrAのS83FまたはS83Y変異を認めた.Gemella はparC,parE を保有していなかった.このため,gyrA のQRDR変異のみでキノロンに高度耐性化していた.
【考察】GemellaはHelicobacter,Mycobacteriumのようにtopoisomerase IV(parC,parE)を保有していないことから,容易にキノロン耐性が生じるものと考えられた.LVFX耐性株は高度耐性を示し,GM-groupよりもGH-groupで高頻度 であった.LVFX耐性株では他の菌種でもよく見られるQRDRと同様にgyrA の83番目のアミノ酸変異を認めたことから,Gemella のキノロン耐性機序にも関与していると考えられた.