The 95th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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Workshop

[W3] Workshop 3
Selected from Oral Session 1: Physiology, Structure and Ecology

Wed. Mar 30, 2022 4:00 PM - 6:00 PM Channel 1

Conveners: Hiroji Chibana(Chiba University), Shinji Takai(Kitasato University)

[W3-1/ODP-038] D. acidovorans inhibited the S. epidermidis growth by alkaline stress that induces ROS production

Tomotaka Ohkubo1,2, Yasuhiko Matsumoto1, Otomi Cho1, Takashi Sugita1 (1Dept. Microbiol., Meiji. Pharm. Univ., 2Dept. Anal. Biochem., Meiji. Pharm. Univ.)

【背景】皮膚常在菌であるS. epidermidis はアトピー性皮膚炎 (Atopic dermatitis: AD)の増悪に関与するS. aureusの増殖を制御し,健常な皮膚環境の維持に貢献する.ADの増悪期にはS. epidermidisS. aureusのバランスが破綻し,炎症が増悪すると考えられている.AD患者の皮膚上からグラム陰性桿菌であるDelftia acidovoransが検出される.本研究ではD. acidovoransS. aureusS. epidermidisの増殖に与える影響およびその機構を検証した.
【方法および材料】吸光度の値からS. epidermidisおよびS. aureusの増殖を測定した.RNAシーケンスによりS. epidermidisの網羅的な遺伝子発現変動を解析した.蛍光プローブを用いてS. epidermidisのROS産生量を測定した.
【結果および考察】D. acidovorans培養上清はS. aureusと比較してS. epidermidisの増殖を顕著に抑制した.D. acidovorans培養上清の曝露によってS. epidermidisのTCA回路関連遺伝子の発現が上昇した.またD. acidovorans培養上清によってS. epidermidisのROS産生が誘導された.TCA回路の阻害剤およびラジカルスカベンジャーの添加によってD. acidovoransS. epidermidisに対する増殖抑制作用が減弱した.D. acidvorans培養上清は高濃度のアンモニアを含み,培地と比較してアルカリ性を示した.アルカリ剤はD. acidovorans培養上清と同様にTCA回路依存的にROS産生を誘導し,S. epidermidisの増殖を抑制した.これらの結果はD. acidovoransがアンモニアによるアルカリストレスを介してTCA回路依存的なROS産生を誘導し,S. epidermidisの増殖を抑制することを示唆している.
【会員外共同研究者】小笠原裕樹