The 95th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

Presentation information

Workshop

[W8] Workshop 8
Development of new methods for diagnosis and chemotherapy of invasive yeast infections

Thu. Mar 31, 2022 1:05 PM - 3:05 PM Channel 2

Conveners: Takashi Sugita(Meiji Pharmaceutical University), Koichi Tanabe(Ryukoku University)

Co-Sponsor: The Japanese Society for Medical Mycology

[W8-1] Emerging yeast, Candida auris

Ken Kikuchi (Dept. Infectious Diseases, Tokyo Women’s Medical Univ.)

Candida aurisは深在性真菌症を起こす多剤耐性菌として,近年世界中に猛威を振るっている.本菌による感染症の致死率は35%に達し,大きな問題となっているが,その病原性,薬剤耐性のメカニズムは明らかになっていない.また,世界では4つの異なる遺伝子タイプが存在するがそれぞれの系統進化についても不明である.我々は日本でこれまでに分離された20株はすべて同一のcladeであり,それ以外のcladeのものは見当たらなかった.本邦株は他のcladeよりもゲノムサイズが250 kbほど短く,環境ストレス応答タンパク,細胞壁に局在する膜タンパクの欠損がみられたことから,本邦株はC. aurisの祖先に近い遺伝背景を有していると考えられ,全身感染を引き起こす他のcladeでは新たな遺伝子獲得,重複により,多剤耐性,高病原性を獲得していることが推察された.本邦株では多剤耐性はみられないが,アゾール耐性は高頻度にみられており,caspofunginに対し,paradoxical effectを示す株が過半数を占める.現在,COVID-19の世界的な蔓延で人流は減少しているが,今後,国内でのC. aurisの多剤耐性化や高病原化への動向には注意が必要である.