第95回日本細菌学会総会

講演情報

ワークショップ

[W8] ワークショップ8
侵襲性酵母様真菌感染症に対する診断・治療法の開発

2022年3月31日(木) 13:05 〜 15:05 チャンネル2

コンビーナー:杉田 隆(明治薬科大学),田邊 公一(龍谷大学)

共催:日本医真菌学会

[W8-2] Candida glabrataを用いた抗真菌薬開発のための標的遺伝子スクリーニング

知花 博治,笹本 要,中野 恵子,佐藤 美智代,高橋 梓 (千葉大・真菌センター)

深在性カンジダ症は,全ての集中治療患者の1-2%に影響を及ぼすが,治療を行った場合でも患者の10-47%が死に至ることが報告されている.深在性カンジダ症を治療するために利用できる抗真菌薬のクラスは4系統のみであり,カンジダはこれら全ての薬剤に対する耐性株が出現し状況はさらに悪化しているため,新しいクラスの薬剤開発は緊急の課題である.Candida glabrataでは,特にアゾール系抗真菌薬に対する耐性化が深刻である.当研究室では,C. glabrataのゲノム(5,200遺伝子)を100%カバーする組換え体コレクションを構築し,ゲノムワイドは抗真菌薬標的分子の探索を進めている.今回は,培地上におけるin vitroでの生育必須遺伝子の同定とマウス静脈感染モデルにおけるin vivoでの必須遺伝子のスクリーニングを進めたので,得られた結果に基づきアゾール系抗真菌薬の標的分子であるErg11やその他の既存薬と標的分子との関係について比較検討を進めながら抗真菌薬の標的分子の適正について報告する.