The 95th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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Workshop

[W9] Workshop 9
Selected from Oral Session 4: Pathogenicity (Cell invasion, Proliferation, Paracitism and Immune Evasion) and Biophylaxis

Thu. Mar 31, 2022 1:05 PM - 3:05 PM Channel 3

Conveners: Hideaki Higashi(Hokkaido University), Hisanori Domon(Niigata University)

[W9-2/ODP-170] Investigation of the mechanism by which pneumococcal infection becomes severe in elder mice

Masaya Yamaguchi1, Kunio Kawanishi2, Momoko Kobayashi1, Daisuke Motooka3, Daisuke Okuzaki3,4, Shigetada Kawabata1 (1Dept. Oral Mol. Microbiol., Osaka Univ. Grad. Sch. Dent., 2Fac. Med., Tsukuba Univ., 3Res. Inst. Microb. Dis., Osaka Univ., 4Osaka Univ., Immunol. Front. Res. Cent.)

肺炎球菌は,肺炎や敗血症,細菌性髄膜炎から高頻度に分離される細菌の一つである.肺炎球菌感染症では,高齢者の罹患率および重症化率が高いことが知られている.しかし,老化が肺炎球菌感染症の重症化におよぼす機序は不明な部分が多い.本研究では,高週齢マウスを用いて,老化が病態におよぼす影響について解析した.
マウスモデルにて老化が病態に影響するかを検討するため,若齢群(8~10週齢),中年群(56~57週齢),高齢群(73~78週齢),後期高齢群(101~106週齢)のマウスを用いて経鼻感染を行った.その結果,中年群のマウスでは若齢群と同等の生存率を示したが,高齢群と後期高齢群のマウスは有意に生存率が低下することが示唆された.次に若齢群と高齢群のマウスについて,感染24時間後の鼻腔洗浄液,肺胞洗浄液および血液中の菌数を測定した.その結果,鼻腔と血液中の菌数に差は認められなかったが,肺胞洗浄液中では高齢群のマウスで有意に高い菌数が検出された.感染24時間後の肺組織について免疫染色により病理組織学的評価を行ったところ,高齢群のマウスでは,若齢群と比較してLy6陽性細胞の割合に差はないが,好中球エラスターゼ陽性細胞の割合は有意に高いことが示された.また,腹腔好中球を分離して殺菌試験を行ったところ,高齢群で肺炎球菌の生存率が有意に高いことが示された.
以上の結果から,ヒトと同じくマウスにおいても老化が肺炎球菌感染症の重症化を引き起こす要因であることが示された.さらに,加齢により好中球の殺菌能が低下するとともに,過度な活性化が生じやすくなることで,病態の重症化を引き起こす可能性が示された.