土留め(2)

[III-177] 遠心模型実験による粘着力の大きさが地震時土圧発現に及ぼす影響比較

〇尾崎 匠¹、中島 進¹、佐名川 太亮¹、伊吹 竜一¹、Phadungsak Hong-in²、高橋 章浩² (1.鉄道総合技術研究所、2.東京工業大学)

キーワード：地震時土圧、粘着力、遠心模型実験、擁壁

近年，擁壁の耐震診断・補強設計が進められている．これにあたり，古い建設年代の擁壁背面盛土は細粒分の影響で粘着力を有するものが多く存在するが，現行設計では粘着力の影響は考慮されていない．
本検討では粘着力を有する背面盛土の検討として，遠心実験により粘着力を変化させた背面盛土を用いて，擁壁に作用する地震時土圧発現傾向の違いを整理した．
本検討の結果，粘着力が大きい場合，擁壁の残留水平変位・背面盛土の残留沈下量や，地震時主働土圧係数が概ね小さくなること確認された．この要因として，「①擁壁背面盛土上部で自立領域が発生」「②擁壁背面の鉛直土圧の増加」「③すべり面上のせん断強度τの増加」が考察された．