地下空洞と地下構造物

[III-453] 地下水位に起因する地盤内浸透流が空洞形成に与える影響

〇平子 ともみ¹、前田 健一¹、河田 真弥¹、杉浦 涼介¹ (1.名古屋工業大学)

キーワード：陥没、地下水位、浸透流

陥没災害の原因の一つは地下埋設管の劣化に起因した地下空洞の進展であるが，空洞の進展過程において地盤内浸透流がどのように作用しているかは確認されていない．そこで本稿では，着色液体により浸透流を可視化してモデル実験を行い，地盤内浸透流の挙動とその空洞形成に対する影響を検討した．その結果，管渠に欠損が生じた際，欠損直上の浸透流により空洞が縦方向に形成され，空洞形成後は地盤内浸透流が空洞側面に沿って流れることで空洞を横方向に拡大させることが明らかになった．また，地下水位上部の不飽和地盤においては，降雨等により地下水位が極端に上昇した場合，空洞が上部に拡大することで陥没発生の危険が高まると予想される．