プレストレストコンクリート(1)

[V-351] PCはり部材の構造性能に及ぼすPC鋼材の腐食領域の影響に関する基礎的検討

〇松原 左月¹、村田 明弘¹、武田 健太¹ (1.名古屋工業大学)

キーワード：鋼材腐食、有限要素解析、腐食PC鋼材の機械的性質

高度経済成長期に建設されたPC橋で鋼材腐食が確認されており，性能評価手法および維持管理手法の確立が急務となっている．劣化構造物の構造性能の定量的な評価手法として，数値解析の活用が挙げられるが，RC構造に比べPC構造の研究事例が少数である．本研究では，鋼材腐食の生じたPCはり部材を対象に，PC鋼材の腐食領域等をパラメータとし，解析的検討を行った．その結果，等曲げ区間内のPC鋼材の質量減少率が同等であれば，腐食領域は部材の構造性能に及ぼす影響は小さいことが示された．また，部材端部付近に位置するPC鋼材に腐食程度の大きな局所腐食が生じると，部材全体の靭性が低下する可能性があることが明らかとなった．