[VI-64] 第一海堡におけるコンクリートの材料特性よりみた建設改修時期
キーワード:第一海堡、セメント、回転窯、配合推定、護岸構造物、建設時期
第一海堡には護岸から砲台上部工まで多種類の構造物が残っているが,記録が少なく個々の建設改修時期は明確でない.本論では明治中期から昭和初期にかけてのセメントの焼成法や規格の変遷に着目し,コンクリート中に残存するセメント粒子の特徴を顕微鏡観察により把握することによって,建設時期を凡そ4期,識別することができた.セメントの鉱物組織や粒径は,古い竪窯焼成から初期・中期の回転窯焼成を通じて変化し,震災復興期は回転窯セメントが細粒でエーライトの多い早強型に改良されていた.復興期のコンクリートは明治期の護岸コンクリートと比べて強度が高く,水セメント比が低いことから,耐久性の向上を目指したといえよう.
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