第23回応用力学シンポジウム

講演情報

ショートプレゼン

ショートプレゼン1

2020年5月16日(土) 10:40 〜 11:45 G会場 (G)

[P01-15] 高速演算性と高精度性を両立した浸水域予測のための地形適合セルの機械的な生成法

*佐々木 靖幸1、諸岡 良優2、安田 浩保1 (1. 新潟大学、2. 中央大学大学院理工学研究科都市環境学専攻(現 国立研究開発法人土木研究所))

キーワード:地形適合セル、オープンストリートマップ、地理情報システム、氾濫解析

近年の気候変動を要因とした広域での深刻な被害に対し,土木学会は河川と都市の一体的な計画を提言した.この提言は,都市部の複雑な地形形状を柔軟に表現できる氾濫解析の必要性を示唆する.これに対応できる解析法として地形適合セル法があるが,地形適合セルの生成が極めて煩雑な処理となるため,同計算法の普及は滞っていた.本研究では,任意の多角形を自由に組み合わせる地形適合セルの特長を活かし,まず,一般公開されている道路網データを入力するだけで,解析領域全体をなるべくセル面積が均一となるいわば歪曲した矩形もしくは矩形に近い多角形セルを機械的に生成する方法を開発した.つぎに,機械的に生成した地形適合セルを用いた水理計算を実施し,1)セル面積の均一化を実施しないと浸水域の拡大速度を正確に算定できない,2)道路網から生成した接点数の削減処理は地形適合セルの特徴である高速演算性に大きく寄与する,ことを明らかにした.