第23回応用力学シンポジウム

講演情報

一般セッション

一般セッション(第一部門:物理数学力学問題 ー物理現象のモデル化から逆問題までー)

物理数学力学問題 ー物理現象のモデル化から逆問題までーA

2020年5月16日(土) 09:00 〜 10:30 A会場 (A)

座長:山本 真哉(清水建設㈱)

[S01A-03] アップスケールされた成層地盤における溶質のマクロ分散性

*倉澤 智樹1、鈴木 麻里子1、井上 一哉1 (1. 神戸大学大学院農学研究科)

キーワード:マクロ分散、アップスケール、成層地盤、ラボレベル試験、ランダムウォーク粒子追跡法

地下水流れによって移行する溶質は,透水係数の不均質性によって空間的に分散する.これを溶質のマクロ分散現象と称し,一般に数値解析を用いて評価される.一方,多くの場合,利用される透水係数分布モデルは真の分布よりも低解像度,つまり,アップスケールされているため,アップスケールによる分散性の変化を定量的に理解することは重要であるものの,研究事例は極めて少ない状況にある.本研究では,まず,ラボレベル試験によって実際の成層構成を模擬した地盤の分散性を推定し,次に,数値解析による再現計算から解析モデルの妥当性を確認した.その後,数値解析を用いて対象の成層構成をアップスケールした透水係数モデルで分散性を推定することで,解像度の低下がマクロ分散性へ与える影響を評価した.この結果,成層モデルの解像度低下は横方向のマクロ分散性に影響しないものの,縦方向の分散性の過少推定につながることがわかった.