第23回応用力学シンポジウム

講演情報

一般セッション

一般セッション(第二部門:計算力学)

計算力学B

2020年5月16日(土) 12:35 〜 14:10 A会場 (A)

座長:斎藤 隆泰(群馬大学)

[S02B-02] 物理速度と輸送速度を区別した選択型デュアル流速ISPH法を用いた混相流解析

*藤井 孟大1、浅井 光輝1、井元 佑介2 (1. 九州大学、2. 京都大学)

キーワード:非圧縮性SPH法、固液混相流解析、選択型デュアル流速

安定化ISPH法は,ISPH法における圧力ポアソン方程式に粒子配置を平滑化する安定化項を付加した粒子法である.安定化項の作用により,計算安定化,体積保存性などが確認されているが,固液混相流解析において上記手法を適用した場合,固体表面付近での流体粒子密度誤差が大きくなり,計算が不安定化する問題が残されていた.そこで本研究では,非圧縮性流体の支配方程式から直接導出される物理速度と,安定化項を付加することで算出される輸送速度の2つの流速を定義し,導かれる2つの圧力ポアソン方程式を2回解く選択型デュアル流速ISPH法を提案する.これは,速度の更新には支配方程式から直接算出される物理的に正しい流速である物理速度を用い,位置の更新には物理速度ではなく粒子分布を平滑化するための輸送速度を使う選択型の定式化である.最後に,ダム崩壊流れの再現解析を行い,密度誤差評価により提案手法の有用性を確認した.