[S05A-01] 短期降水予測のための運動学的解析とクープマン作用素解析の混成手法の開発
キーワード:データ駆動解析、クープマン作用素解析、非線形動的現象、短期降水予測
本研究では,近年に提案されたデータ駆動型手法の一種であるクープマン作用素解析に基づいた新たな降水予測手法を提案し,その有効性について基礎的な検討を行った結果を報告する.クープマン作用素解析は,非線形的な動的現象の時間発展の性質をデータから再現・予測する手法の一つであり,解析理論の背後に現象の因果的な法則を仮定している点において,物理現象の予測に適したデータ駆動型モデルである.
提案手法は,気象状態の時間発展を大域的な空間移動と状態の発展・減衰に分解し,前者を運動学的に,後者をクープマン作用素解析によって予測するものである.同手法を用いてXRAINにおける現在までの観測記録に基づいて一定時間先の降水状態を予測する数値実験を行った.実験結果からは,持続予測や単純な運動学的外挿処理による予測といった基礎的な手法に比較して,提案手法の予測精度が高いことが確認された.
提案手法は,気象状態の時間発展を大域的な空間移動と状態の発展・減衰に分解し,前者を運動学的に,後者をクープマン作用素解析によって予測するものである.同手法を用いてXRAINにおける現在までの観測記録に基づいて一定時間先の降水状態を予測する数値実験を行った.実験結果からは,持続予測や単純な運動学的外挿処理による予測といった基礎的な手法に比較して,提案手法の予測精度が高いことが確認された.