第23回応用力学シンポジウム

講演情報

一般セッション

一般セッション(第五部門:応用数理問題―計算機科学から社会科学まで)

応用数理問題―計算機科学から社会科学までA

2020年5月16日(土) 09:00 〜 10:30 E会場 (E)

座長:本田 利器(東京大学)

[S05A-05] サンプル欠損の発生段階を考慮した補修効果の評価

*山岸 拓歩1、安藤 翠2、貝戸 清之1 (1. 大阪大学大学院、2. 阪神高速技術株式会社)

キーワード:点検時措置、サンプル欠損バイアス、マルコフ劣化ハザードモデル

社会基盤施設に対する定期点検時には,安全性の向上と予防保全を目的に簡易的な補修が施される点検時措置が実施されることがある.近年,統計学に基づいて社会基盤施設のマネジメントを試みる研究事例が多く蓄積されており,点検時措置の効果を点検データに基づいて定量的に示すことが有効である.点検時措置は進展速度が相対的に大きい損傷に対して実施されると考えられるため,点検データはこれに起因するサンプル欠損バイアスを有することが懸念される.そのため,従来の損傷の統計的進展予測モデルに基づいてでは,点検時措置の効果を過小に評価する恐れがある.本研究では,サンプル欠損の発生段階を考慮した統計的進展予測モデルを開発し,サンプル欠損バイアスを除去した上で点検時措置の効果を定量的に評価する手法を提案する.そして,実際の道路構造物に対する点検データに提案した手法を適用した実証分析を通じて,本研究の有用性を議論する.