[SS1A-05] インフラ維持管理における戦略の不確実性を考慮したテイルリスクの定量化
キーワード:テイルリスク定量化、維持管理、時間整合性、動学的評価
インフラの維持管理計画の策定は,期待LCC最小化等の長期的な効率性の観点からの最適化問題として扱われることが多い.そこでは構造物全体の平均的な状態の維持,向上が求められる.一方,劣化に伴う事故を防ぐこと観点では平均的な状態よりも,発生頻度は低いが影響が大きな事象の発生確率を抑えることが重要となる.そのようなテイルリスクを考慮するためには,VaRやconditional value at risk (CVaR)が用いられているが,これらは時間的整合性を有さないため,計画当初は最適と考えられていた戦略が,その通りに実現しない可能性があることが指摘される.この問題を回避するため,iterated risk measureといわれる再帰的な定式化を導入することを提案する.数詞シミュレーションで,CVaRにこの定式化を適用して,維持管理戦略の選定にもちいることで,希な事故の発生確率が低下することをしめす.