[SS1B-04] リスク指標に基づく流域危険度の可視化と意思決定問題の高度化へ向けての考察
キーワード：流域リスク、リスクに基づく意思決定、河川堤防
例年のように，大規模な豪雨災害が頻発し,社会経済へ甚大な被害をもたらしている．これまでのような河川整備，設計基準では，リスクマネジマントが困難となっている．そのため，堤防の安全性を高めるだけでなく，破堤時の影響を考慮し流域としての安全性を高める必要性があると考えている．本研究は，空間的な流域リスクを計量化し，リスクに基づいた河川整備体系の構築を目指している．ここで，流域リスクとは，破堤確率と影響度の積をリスクと定義している．なお，研究上の具体的な課題は，被害計算を行う際，破堤地点，破堤時の流量のような状況に応じて影響度が異なる点にある．そこで，積分値としてリスクを積み上げ，経済被害額計算，流域リスクを効率的に算出する方法を提案した．最後に，現行の設計基準と比較することにより提案するリスク計量方法の有効性について議論する．