第26回応用力学シンポジウム

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企画セッション(応用力学の実務への展開)

企画セッション(応用力学の実務への展開)①

2023年5月27日(土) 15:30 〜 16:45 A会場 (6号館 4階 6410室)

座長:加藤 準治(名古屋大学)

15:45 〜 16:00

[11011-15-02] 衝撃弾性波法の鋼球打撃が作る弾性波動場の理論解の精度(シンポジウム講演概要)

*菅野 匡1 (1. 東日本高速道路(株))

キーワード:非破壊試験、衝撃弾性波法、Lamb問題、Navier方程式、近距離場、遠距離場

コンクリート構造物の非破壊試験では,表面をハンマーや鋼球で打撃し,生成される弾性波動場から,受信波伝搬経路を特定して解析する.筆者他は,衝撃弾性波法に拠りコンクリート供試体のP波速度を測定するとき,仮定とは異なる経路をたどるエコーが卓越することを実験と解析から示した.本研究では,伝搬経路の理論的推定に必要な,インパクターが生成する弾性波動場の近似解を得るため,打撃を受けるコンクリートをLambの問題でモデル化し,提案されている近似式を荷重線上で得られる厳密解と比較した.Miller他の最急降下法による近似式は,位相距離4以上で良い近似を与え,Ewing他の近似式は,P波の良い近似となった.Brind他の近距離場の近似法は,周期点荷重条件下に拡張しても,最急降下法の精度には及ばず,多重反射波を利用する方法では,エコーの位相距離はπとなり,最急降下法の近似式が妥当であるとの結論を得た.