第３部門④

[23007-12-05] 平行移動指数を用いた間隙モデルの保水性推定精度に関する検討（シンポジウム講演概要）

*中島 亮輔¹、酒匂 一成²、伊藤 真一²、北村 良介³ (1. 鹿児島大学理工学研究科、2. 鹿児島大学学術研究院、3. 鹿児島大学　名誉教授)

キーワード：不飽和土、水分特性曲線、粒径加積曲線、間隙径分布

土の水分特性曲線は土中の水の浸透挙動を把握するために必要なパラメータの一つである。しかし，水分特性曲線を求めるための保水性試験は複雑かつ試験に長い時間を要することから，水分特性曲線に関する多くのモデルが提案されており，その一つに間隙モデルがある。間隙モデルは，粒径加積曲線と間隙比を基に間隙径分布を導出し，水分特性曲線と不飽和透水係数を推定する。本研究ではモデルの精度を向上させるために，平行移動指数I_ptと土質の粒度特性値との関係性について検討した。また，平行移動指数と粒度特性値との関係性から算出した近似式を用いたときのモデルの推定精度を明らかにした。その結果，近似式から平行移動指数を決定した際のモデルの推定精度は，およそ実験値の体積含水率± 0.1以内に収まる結果となった。これにより，粒度特性値を用いることで，保水性試験結果無しで，平行移動指数を決定することができる可能性が示唆された。