特別講演会
12月9日(木)17:45~ ZOOM+Youtube配信
プログラム:
17:45~17:50
開会挨拶 立川 康人 水工学委員会委員長
17:50~18:50
特別講演「水工学・水文学のこれまでとこれから」
寶 馨 先生 京都大学大学院総合生存学館(思修館)
18:50~19:15
質疑応答
特別講演
講演題目:「水工学・水文学のこれまでとこれから」
寶 馨 先生 京都大学大学院総合生存学館(思修館)
ご講演概要:
治水計画の立案にはこれまで観測データのみが利用されてきた。しかし、気候変動による外力変化を考慮して、国土交通省は降水観測データに加えて気候変動予測シナリオに基づく降水シナリオデータも利用して治水計画を見直すように方向性を大きく転換している。こうした治水計画の立案や変更のためには、従来の100年〜200年の再現期間のみならず1000年オーダーの確率水文量の推定とその変化の分析が重要となる。本講演では、まず、これらの確率水文量の基本的な推定手法であるパラメトリックな水文頻度解析手法をレビューし今後の方向性について述べるとともに、大標本時代の到来を見越してノンパラメトリックな水文頻度解析手法の適用にも触れる。また、確率過程的な実時間流出予測手法や、種々の空間情報を用いた物理的な分布型降雨流出モデルについても、流域治水や気候変動適応と関連して論じる。さらに、国連防災の10年(IDNDR)、ユネスコ政府間水文学計画(IHP)、アジア太平洋水文水資源協会(APHW)、地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)などの国際共同研究事業、学協会の運営や大学院における学際的な教育プログラムについて、その経緯や方向性を述べる。