○宇佐美 しおり (熊本大学大学院 生命科学研究部 教授)
セッション情報
特別企画
特別企画
災害支援 ~がん患者への支援と看護師の心の変化~
2019年2月24日(日) 09:00 〜 11:00 第2会場 (福岡サンパレス パレスルーム)
座長:中信 利恵子(日本赤十字広島看護大学 看護学部 教授),方尾 志津(国立病院機構 熊本医療センター がん治療センター部)
平成23年東北地方太平洋沖地震、平成28年熊本地震、平成29年7月九州北部豪雨、平成30年7月豪雨、平成30年北海道胆振東部地震など、近年、日本各地で未曾有の自然災害がおこり、その被害の多様化や規模の拡大は今なお人々の生活を脅かしています。これらの自然災害により、がんという病を抱えながら生活している人々は、生活の破綻のみならず治療継続や症状マネジメントなど様々な点において問題が生じており、闘病生活に大きな影響を受けることとなります。
看護職は、災害後の新たな課題に向きあうがん患者を支える役割がある一方で、自身も被災者という立場におかれることとなります。その中において、自分自身の生活と看護職としての役割との間で葛藤し、意欲の低下や離職などが生じやすいとされています。この意欲の低下や離職は、災害直後だけでなく長期的に生じるとされており、地震後3年目を迎えた熊本においても今なお問題となっています。災害時のがん患者を支援するためには、災害における患者周囲の課題を解決するだけでなく、がん患者を支援する看護職の心身の健康を維持できるようなスキルを獲得することも重要といえます。
本特別企画では、看護職が災害時や災害後の人々の身体と心の反応に対応できるための人材育成プログラムを熊本地震直後から現在に至るまで継続して実施している講師にご講演いただきます。また、被災地でがん患者への支援を行った経験を持つ看護職にもご登壇いただき、当時の現状や自身の心の変化、自ら被災しながら支援を行った体験についてご発表いただきます。今回は、参加者との意見交換の時間を設けて、ディスカッションを通じ、被災地において看護活動を行う看護職の心身の健康維持について今一度考えるとともに、災害時のがん患者への支援の状況や課題を知り、がん患者への支援において必要なことは何かについて参加者とともに考える機会にしたいと思います。
○菅原 よしえ (宮城大学 看護学群 教授)
○安達 美樹 (熊本大学医学部附属病院 看護部)
○岡﨑 敦子 (久留米大学病院 災害看護専門看護師)