第34回日本がん看護学会学術集会

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シンポジウム

シンポジウム4
診断・治療・療養の多様な選択肢がある中で生きる患者を支える看護の広がりと深化~病院と地域の連携の在り方とは~

Sun. Feb 23, 2020 12:45 PM - 2:45 PM 第2会場 (東京国際フォーラム ホールB7)

座長:濵田 珠美(旭川医科大学医学部 看護学科),佐々木 菜名代(浜松医科大学医学部附属病院)

 日本は人口減少局面を迎えている。2025年には、団塊の世代が75歳を迎え医療・介護需要の最大化を迎えるとされる。東京都は、2025年に人口のピークを迎えた以降減少に転じるが、65歳以上の人口は増加し、高齢化によりがん患者数が増加する見込みである。病院の機能分化は、医療の機能に見合った資源の効果的かつ効率的な配置を促すことを目指してなされた。がん罹患数99万人/年(2016)を超えたがん医療においては、がん患者と家族の住まうその地域にふさわしいバランスの取れた医療機能の分化と連携を適切に推進する取り組みが求められているといえる。
 こうした病院の機能分化を背景に、入院期間は短縮し、患者の療養の場は状況に応じて変更することが求められる。各病院では、退院調整部門の機能の充実が求められ、がん患者が住み慣れた自宅などから外来通院を継続し、または、地域の診療所や訪問看護ステーションなどと連携し、退院後もこれまでの医療やケアが継続できるような切れ目のない医療の提供体制が求められている。
 そこで、がん患者のライフコースに切れ目のない医療を提供するため、それぞれに役割と機能を担う施設に所属する立場から、多様な選択肢がある中で生きるがん患者を支える看護について具体的な取り組みと課題、それぞれの医療機関に在籍する看護師へ期待することなどの発言を頂く。その上で、がん患者とその家族のQOLの向上を目指し、包括支援時代に求められる場の違いによるがん看護の在り方、がん看護の連携について、その広がりと深まりを考えるきっかけづくりとしたい。