日本発達心理学会 第26回大会

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大会委員会企画シンポジウム

発達障害をもつ人の生涯発達

Sat. Mar 21, 2015 9:30 AM - 11:30 AM 講義室213 (工学部2号館)

司会者:能智正博(東京大学大学院教育学研究科)

9:30 AM - 11:30 AM

[AS3] 発達障害をもつ人の生涯発達

成人期における支援に焦点をあてて

能智正博1, 渡邉慶一郎2, 石川京子3, 高橋美保1, 金生由紀子4, 熊谷晋一郎5 (1.東京大学大学院教育学研究科, 2.東京大学・学生相談ネットワーク本部, 3.NPO法人リンケージ, 4.東京大学大学院医学研究科, 5.東京大学先端科学技術研究センター)

近年「発達障害」の概念が社会的に広がり、その診断を受けた人々に対する理解と支援は一見進んでいるように見える。実際、療育やSST、二次障害を予防するかかわりなど、幼児期から学童期における援助や介入に関する知見は広く共有されてきたように思われる。しかしながら、発達障害に関連する問題は幼児期・学童期に限定されるものではなく、その個人の生涯に関わるものであり、生涯発達的な視点での支援やケアの必要が考えられる。実際最近では、幼少期から発達障害をもつとみなされてきた人に加えて、成人してから発達障害の診断を受ける人々も増えている。それに対して、成人期において求められる支援やその基礎にある彼らの体験の諸相について共有される知見はまだ少ない。一般に成人期には、ライフイベントによる環境変化が大きく、複雑な人間関係や社会への適応を周りから求められる傾向もあって、発達障害をもつ個人は、幼児期・学童期以上に様々な課題に直面しやすいといえるであろう。確かに、それぞれの支援の現場では成人期の発達障害者の抱える「問題」に対応する様々な工夫が積み重ねられている。しかし、それを共有の知としてさらに発展させていく努力は今後ますます必要になっているだろう。そこで本企画では、大学生活への適応、就職活動、就職生活への適応、コミュニティにおける適応など、発達障害を抱える人々が困難を感じやすい成人期ライフイベントへの適応を支える現場の支援者からの話題提供をうけ、次いで成人期における困難さについて、医療的視点と当事者的な視点を参照しつつ、今後求められる支援の方向性について議論を深めしたい。



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