12:30 PM - 2:30 PM
[AS6] 授業研究への発達的アプローチの可能性
授業研究は、授業における言語的非言語的データを対象として行われる研究の総称である。授業参加者である子どもや教師の認知過程、社会的過程、自己内過程を質的、量的に追究することを目的としている。我が国において1960年代以降本格的に取り組まれてきた研究者による学術研究としての授業研究は、認識論的にも方法論的にも心理学におけるパラダイムの影響を強く受けて進展してきた。
他方で、心理学研究も、具体的な教室場面で子どもや教師によって営まれる諸活動の研究から人間の学習や発達のあらたな視点を得つつ研究としての可能性を拡張しつつある。すなわち、一つには、学校教育という制度のもとでの子どもの発達をとらえるという点、二つには、短期的な変容を微視的にとらえるという点、三つには、教室という社会文化的な状況の構成やそこでの他者やものとの相互作用における参加者の学習や発達をとらえる点である。
心理学研究と教育実践との関係は、理論-実践、基礎-応用という単純な構造ではない。人間の発達の社会文化的側面や環境の役割を重視する立場からすれば、教育実践は制度の下で協調的に生きる存在としての人間の発達をとらえるための基礎研究の場であるということもできる。そのような場での意図的な指導と自覚的な学習によって、子どものどのような側面が発達しどのような側面の発達が阻害されるのかをみていくことが発達研究を豊穣化するとともに授業研究の質を高めることにつながる。
本シンポジウムにおいては、社会文化的視点、認知の微視発生的視点、といった人間の学習や発達への発達的視点、教室談話や授業デザインといった学習過程を支える媒介や文脈との学習者や教師のかかわりの発達の視点から、授業研究と発達研究の接点や相補的なあり方の可能性、すなわち、授業研究が発達研究にもたらすあらたな視点と発達研究が授業研究に対して開くあらたな地平を探る。
他方で、心理学研究も、具体的な教室場面で子どもや教師によって営まれる諸活動の研究から人間の学習や発達のあらたな視点を得つつ研究としての可能性を拡張しつつある。すなわち、一つには、学校教育という制度のもとでの子どもの発達をとらえるという点、二つには、短期的な変容を微視的にとらえるという点、三つには、教室という社会文化的な状況の構成やそこでの他者やものとの相互作用における参加者の学習や発達をとらえる点である。
心理学研究と教育実践との関係は、理論-実践、基礎-応用という単純な構造ではない。人間の発達の社会文化的側面や環境の役割を重視する立場からすれば、教育実践は制度の下で協調的に生きる存在としての人間の発達をとらえるための基礎研究の場であるということもできる。そのような場での意図的な指導と自覚的な学習によって、子どものどのような側面が発達しどのような側面の発達が阻害されるのかをみていくことが発達研究を豊穣化するとともに授業研究の質を高めることにつながる。
本シンポジウムにおいては、社会文化的視点、認知の微視発生的視点、といった人間の学習や発達への発達的視点、教室談話や授業デザインといった学習過程を支える媒介や文脈との学習者や教師のかかわりの発達の視点から、授業研究と発達研究の接点や相補的なあり方の可能性、すなわち、授業研究が発達研究にもたらすあらたな視点と発達研究が授業研究に対して開くあらたな地平を探る。
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