日本発達心理学会 第26回大会

Presentation information

チュートリアル・セミナー

アクション・リサーチの方法

Fri. Mar 20, 2015 9:30 AM - 11:30 AM 福武ラーニングシアター (情報学環・福武ホール)

チューター:矢守克也 (京都大学)

9:30 AM - 11:30 AM

[TS1] アクション・リサーチの方法

矢守克也 (京都大学)

アクションリサーチとは、現場の当事者と研究者が共にコトをなすことを通して、正確には、もとの当事者と研究者が共になすコトを通じて形成する包括的な当事者性のもとで、共同知を生みだすことを目指した研究活動です。本チュートリアルでは、筆者自身の取り組みから代表的なものを紹介します。
第1は、阪神・淡路大震災をきっかけに作成した防災ゲーム「クロスロード」です(当日プレー予定)。約 15 年前、ゲーム作成の基礎となったインタビュー調査の対象者が、現在、「クロスロード」のファシリテータとして活躍していることの意味などについて考えていきます。
第2は、「Days-Before の語り」の試みです。これは、1/16 や 3/10、つまり、破局的な出来事が起こることなど知る由もなかった「あの頃」について語る試みです。被災者の語り部団体で 15 年以上にわたってアクションリサーチを実施してきた結果として行き着いたアプローチで、被災者になる前の被災者、被災地になる前の被災地について知ることが、結果として被災の意味を浮き立たせます。
人間や地域に向き合う人間科学が、ワンショットの研究で片づくはずがありません。当事者との長期にわたる共同実践が、当初の当事者のみならず周囲へも波及する中で、新たな研究や実践を生み出す。これこそがアクションリサーチの醍醐味であり、それを多くの方と共有したいと思います。



Abstract password authentication.
Password is required to view the abstract. Please enter a password to authenticate.

Password