第41回日本認知症学会学術集会/第37回日本老年精神医学会[合同開催]

セッション情報

ランチョンセミナー

[LS11] ランチョンセミナー11
アルツハイマー病のBiological subtypeから考える認知症の臨床的多様性

2022年11月27日(日) 11:40 〜 12:30 第1会場 (4階 ホールC )

座長:池田 学(大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室)

共催:エーザイ株式会社

 認知症は同じ原因疾患であっても症候学的特徴や進行速度に大きな個人差がみられることがあり,この多様性が鑑別診断や治療方針の決定を難しくしている.バイオマーカー研究の進歩はアルツハイマー病の正確な診断を可能にする一方で,バイオマーキングされたアルツハイマー病患者の中には大きな臨床的多様性がみられることにも気付かされる.この個人差は重複病理の影響として部分的に説明可能かも知れないが,そもそもアルツハイマー病には複数のBiological subtypeが存在することが示唆されており,subtype間の差は臨床的にも体感可能なものであると感じる.またこのことは,疾患修飾薬 に対する反応性に影響する可能性があり,Biological subtypeを腑分けする精密なバイオマーキングが必要となるかも知れない.

武田 朱公 (大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学)