第41回日本認知症学会学術集会/第37回日本老年精神医学会[合同開催]

セッション情報

ランチョンセミナー

[LS9] ランチョンセミナー9
高齢化により変化した便秘診療~医師と患者が納得する治療を目指して~

2022年11月26日(土) 12:10 〜 13:00 第4会場 (5階 ホールB5(1))

座長:天神 雄也(医療法人社団翠会成増厚生病院)

共催:EAファーマ株式会社/持田製薬株式会社

 近年の疫学調査によると慢性便秘症は高齢者に多い疾患であるとされている.また,認知症患者では便秘症を高率に合併することも報告されている.慢性便秘症は生命予後への影響も示唆されており,この意味で慢性便秘症は治療すべき疾患と考えられる.便秘治療では,多用されてきたのが酸化マグネシウム製剤とアントラキノン系やジフェニール系の刺激性下剤であったが,多用連用による高マグネシウム血症や下剤性大腸症候群といった問題点が認識されてきている.近年,上皮機能変容薬をはじめとして,胆汁酸再吸収阻害作用により排便を促すエロビキシバットなどの慢性便秘症治療薬が上市され,便秘治療の選択肢が拡大している.今後はこれらの慢性便秘症治療薬を便秘診療に取り入れていくことで,患者QOL向上を目指した治療が期待されている.

中島 淳 (横浜市立大学大学院医学研究科肝胆膵消化器病学教室)