The 71th Annual Meeting of JSFST

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Oral presentation

D 食品工学、加工、保蔵、バイオテクノロジー (Food Engineering, Process, Storage, and Biotechnology)

[3La] 発酵、酵素利用

Sat. Aug 31, 2024 9:00 AM - 11:30 AM Room L (2F N205)

Chair:Genta Kobayashi, Naoki Narisawa, Takashi Koyanagi

10:15 AM - 10:30 AM

[3La-06] Evaluation of fermentation suitability and functional components of rice koji prepared from high-hydrostatic pressure processed rice

*Nami Nakagawa1, Nagisa Kinjyo2, Ayumi Tsutsui1,2, Yuta Morishita3, Rie Murata4, Yohei Shiraishi4, Tomoyuki Fujita1,2 (1. Grad. Sch. Sci. and Technol., Shinshu Univ., 2. Fac. Agric., Shinshu Univ., 3. Takasaki Univ. Health and Welfare, 4. Bio'c Co.)

Keywords:Koji, Aspergillus, Amazake

【目的】高圧加工米は,玄米や籾に加水・加温・高静水圧処理して糠の成分を胚乳部へ浸透移行させた白米であり,通常米に比べてポリフェノール成分などの機能性成分が富化されている.先行研究では,本加工米が未処理米に比べて麹加工に適していることが示唆された.本研究では玄米と籾から調製した高圧加工米および未処理米に醸造用種麹を播種して米麹と甘酒を調製し,酵素活性および機能性成分量の評価を行った.
【方法】コシヒカリ(令和4年長野県産)の玄米及び籾を圧力処理し,高圧加工米を調製した.得られた高圧加工米と未処理米にそれぞれ6種の醸造用種麹を播種し,米麹及び甘酒を調製した.各試料を凍結後,ミルで粉砕し,定量用試料とした.総ポリフェノール量の定量はフェルラ酸を標準物質としてFolin-Ciocalteu法で定量した.ビタミンB群及び遊離アミノ酸の定量では,試料の0.1%ギ酸水溶液を遠心分離し,その上清をフィルターろ過し,LC/MSで分析した.
【結果】原料とした高圧加工米(玄米及び籾由来)の総ポリフェノール量は,未処理米に比べてそれぞれ1.6倍, 1.4倍であった.麹菌の増殖は高圧加工米の方が総じて高い傾向にあった.酵素活性の比較では,焼酎用麹を除く4種の麹でアミラーゼやプロテアーゼの活性が未処理米米麹よりも高い値を示した.総ポリフェノール量の比較では,焼酎用白麹を除き高圧加工米米麹の方が高い値を示した.また,ビタミンB群量の比較でも高圧加工米米麹の方が多く,増加傾向は清酒用・甘酒用>味噌用・醤油用>焼酎用黒麹・白麹の順であった.以上の結果から,米麹に加工しても機能性成分量が保持されることがわかった.また,麹菌の種類によって増加比率が異なることも明らかになった.