第46回日本集中治療医学会学術集会

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Pros & Cons

[PC1] Pros & Cons1
どちらに軍配?民事訴訟 私はこう鑑定する -比較的長期挿管患者における抜管においてどこまでの配慮が必要か?-

Fri. Mar 1, 2019 4:40 PM - 5:40 PM 第1会場 (国立京都国際会館1F メインホール)

座長:落合 亮一(東邦大学医療センター大森病院麻酔科)

症例呈示

時代背景 2018年からおおよそ10年前の事象

患者背景 患者は40才代前半、自宅で不整脈により心停止、すぐに同居者による心マッサージが行われ救急搬送され救急入院、気管挿管人工呼吸管理となった。挿管後5日目朝の時点で軽度鎮静薬投与下で応指示可能で、心機能もほぼ回復した。人工呼吸器のウイニングも順調に進み、胸部X線でも問題ないことを確認できたので、挿管経験が比較的豊富な医師が抜管した。抜管後すぐに喘鳴を聴取し陥凹呼吸を認めたため抜管後3分で再挿管を決断した。喉頭展開は容易であったが気管チューブを気管内に進めることができずSPO2が徐々に低下したため抜管後7分で応援医師を依頼した。その4分後すなわち抜管後11分で心停止に至った。応援医師は抜管後14分で到着し、抜管後19分に輪状甲状靱帯切開を開始した。この間心臓マッサージは継続、マスク換気は不能で繰り返しの挿管も失敗に終わっている。輪状甲状靱帯切開はおよそ3分で完了し人工呼吸可能となり、その4分後(抜管後26分、心停止後15分)に心拍は再開した。循環呼吸状態は安定したが意識は回復せず最終的に低酸素脳症と診断され、家族が民事提訴するに至った。

原告側、被告側および両者の鑑定人が合意している争点
1 喉頭浮腫による挿管困難が原因であった。

両者が合意していない争点
1 約5日間の挿管後に抜管する場合、抜管直後に本件のような急激な気道閉塞が起きることを予見できたか?

2 抜管前のカフリークテストは行うべきか?内視鏡による喉頭の評価は行うべきか?抜管前の100%酸素化は行うべきか?ステロイド剤は事前に投与すべきであったか?

3 抜管20分後に気道確保されたが、それよりも早く気道確保は可能であったか?その方法は? またその場合に想定されるのは抜管何分程度後か?

4 気道確保できていれば重篤な後遺症を残さずに済んだか?重篤な後遺症を残さない時間限界はどの程度か?

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