[EL10] 心肺蘇生におけるエピネフリン:最高?再興?再考?
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2007年高知大学医学部医学科卒業
聖路加国際病院、大阪府済生会千里病院、東京都立墨東病院などを経て、
2011年東京大学大学院医学系研究科救急医学特任助教
2016年東京大学大学院医学系研究科外科学専攻(救急医学)博士課程卒業
2016年東京大学大学院医学系研究科救急医学助教
2016年ハーバード大学ベスイスラエルディーコネスメディカルセンター救急医学蘇生科学センター博士研究員
2017年ハーバード大学公衆衛生大学院公衆衛生学修士課程中途退学
2018年琉球大学大学院医学研究科救急医学准教授
現在に至る。
心肺蘇生のガイドラインでは、エピネフリン(成人では1mg、小児では0.01mg/kg)を3-5分毎に投与することが推奨されている。これまでに複数の観察研究でその有効性に疑問が投げかけられてきたが、ガイドラインの推奨を変えるには至らなかった。しかしながら、2018年になり成人院外心停止を対象にエピネフリンの効果を検討した大規模RCT (PARAMEDIC2 study)の結果が発表され、エピネフリンは30日生存を改善させる(adjusted OR 1.47 [1.09-1.97])が、神経学的転帰を改善させないことが示された。
わが国では早期のエピネフリン投与を実現するために、2006年から救急救命士によるプレホスピタルでの薬剤投与が開始されてきたが、PARAMEDIC2 studyの結果をどのように受け止めるべきであろうか。心肺蘇生中にエピネフリンを使用すべきか結論を出すには、PARAMEDIC2 studyの結果以外に考慮すべき点が複数ある。また、PARAMEDIC2 studyの結果を解釈するうえでの注意点も複数ある。
本発表ではエピネフリンが心肺蘇生に有効と考えられてきた理論的背景、また、これまでの心肺蘇生におけるエピネフリン使用に関する主要な観察研究およびRCTの結果を提示しつつ、我々自身の研究結果も提示したうえで、今後の展開について議論したい。
わが国では早期のエピネフリン投与を実現するために、2006年から救急救命士によるプレホスピタルでの薬剤投与が開始されてきたが、PARAMEDIC2 studyの結果をどのように受け止めるべきであろうか。心肺蘇生中にエピネフリンを使用すべきか結論を出すには、PARAMEDIC2 studyの結果以外に考慮すべき点が複数ある。また、PARAMEDIC2 studyの結果を解釈するうえでの注意点も複数ある。
本発表ではエピネフリンが心肺蘇生に有効と考えられてきた理論的背景、また、これまでの心肺蘇生におけるエピネフリン使用に関する主要な観察研究およびRCTの結果を提示しつつ、我々自身の研究結果も提示したうえで、今後の展開について議論したい。