第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

教育講演

[EL24] 教育講演24

2019年3月2日(土) 15:35 〜 16:15 第18会場 (グランドプリンスホテル京都B2F プリンスホール1)

座長:仁科 典子(大阪警察病院集中治療部)

[EL24] ICUにおけるコンフォートケア

津田 泰伸1,2,3 (1.東京純心大学 看護学部, 2.聖マリアンナ医科大学病院 看護部, 3.聖路加国際大学大学院 看護学研究科 博士後期課程)

ライブ配信】

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2004年 医療法人鉄蕉会亀田総合病院(集中治療室)2008年 北里大学看護学部看護学科 助手2010年 聖マリアンナ医科大学病院(救命救急センターICU・CCU・看護部管理室)2018年 東京純心大学看護学部看護学科 講師2018年 聖路加国際大学大学院看護学研究科看護学専攻 博士後期課程在学中現在に至る。日本集中治療医学会看護卒後教育検討委員会委員長(2017-)専門分野は、クリティカルケア看護、基礎看護学現在、ICU患者の苦痛、苦悩、生きる力の研究に従事
コンフォートとは「緩和、安心、超越に対するニードが、経験の4つのコンテクスト(身体的、サイコスピリット的、社会的、環境的)において満たされることにより、自分が強化されているという即時的な経験である」と定義されている(Kolcaba, 2003-2008:看護科学学会, 2011)。人は誰しもがコンフォートな状態になりたいというニーズを持ち生きている。決して終末期のような死を待つ患者にのみ検討されるべき概念ではなく、ICUという場で、生命の危機的状態に陥りながらも必死に闘い耐える患者にも、コンフォートをもたらすケアは提供されるべきだろう。定義からも、患者のコンフォートにかかわる看護・医療には(コンフォートに限らずだが)、人を多面的かつ全人的に捉えていく視点の必要性と重要性が読み取れる。しかし、医療現場の多忙さや効率性が優先される文化の中で、どれだけ患者を実存する人間として捉え、ケアすることができるだろうか。どことなくその意味するものが抽象的で、実際にどのように患者のコンフォートをとらえ、ケアにつなげていくことができるのか、は多くの方の悩みだろう。本講演では、コンフォートの概念と背景にある哲学を整理しながら、コンフォートな状態とはいかなるものか、また、その状態に至るためには、どのようなケア(コンフォートケア)が実践可能かをまとめてみたい。ICU患者にケアを提供する皆様の臨床実践の役に立てると幸いである。