第46回日本集中治療医学会学術集会

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教育講演

[EL4] 教育講演4

Fri. Mar 1, 2019 3:30 PM - 4:10 PM 第3会場 (国立京都国際会館1F アネックスホール1)

座長:戸田 雄一郎(川崎医科大学附属病院麻酔・集中治療科)

[EL4] 小児の困難気道:ICUでのマネージメント

佐藤 光則 (静岡県立こども病院 小児集中治療科)

2006年千葉大学卒
2008年より横浜市立大学麻酔科学教室に入局し、関連病院に勤務。横浜労災病院、横浜市立大学付属市民総合医療センターで成人ICUに従事
2012年静岡県立こども病院、麻酔科
2013年静岡県立こども病院、小児集中治療科
現在に至る
ICUでの気道確保は、患者の状態が悪い、基礎疾患が重篤である、人員や物品の制約がある、など、非常にリスクが高い処置の一つである。加えてその患者が小児であったとしたら、我々は集中治療医としてどういうマネージメントをすべきであろうか。

成人・小児にかかわらず、気道確保のマネージメントで最も重要なことは困難気道への対応である。評価、導入、マスク換気、喉頭展開、すべての段階で困難気道を意識し、対応できる手段を用いなければならない。

その一方で小児に関する困難気道への知見は、成人と比較すると非常に少ない。成人においては換気・挿管困難を予測する指標が多数存在するが、小児では確立された予測指標が存在しない。困難気道に関するアルゴリズムも、ほとんどが成人の手術麻酔を対象としたものであり、小児のICU settingでの困難気道への対応について指針となるべきものは現時点では存在しない。このような限られた情報のなかで、最善と思われる対応を選択しなければならない。

本講演ではICUで出会う小児の困難気道に関して、事前評価、準備すべき物品、導入方法、声門上器具の使用、喉頭展開のデバイス、気管チューブの選択、輪状甲状間膜穿刺などを「集中治療医」としてどうマネージメントするべきかを、最新の知見と当施設の経験を踏まえて述べる。小児の気道マネージメントはまだ正解のない領域ではあるが、それゆえに個人の技術や知識が結果の成否を大きく左右すると感じている。本講演が皆様の日々の診療の助けになれば幸いである。