第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

教育講演

[EL7] 教育講演7

2019年3月1日(金) 14:00 〜 14:40 第19会場 (グランドプリンスホテル京都B2F プリンスホール2)

座長:伊藤 聡子(神戸市看護大学事務局)

[EL7] ICU看護師教育に活かすリフレクション

宇都宮 明美 (京都大学大学院 医学研究科)

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略歴
2004年大阪府立看護大学大学院 看護学研究科博士前期課程 急性期看護学 修了

1987~2002年 国立循環器病センター
2004~2011年 兵庫医科大学病院 看護部 看護部次長
2011~2018年 聖路加国際大学大学院 急性期看護学 准教授
2019年    京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻准教授
        京都大学医学部附属病院 看護部 副看護部長

2005年    急性・重症患者看護専門看護師 認定
臨床判断能力は専門的知識を活用する→状況をとらえ、何が起こっているか(起こっていないのか)を考える→専門的知識や技術(エビデンス・ナラティブ)を活用して行動するものと考えることができる。この3要素は統合されて実践されるものであり、その深みや正確さが看護の質そのものと言えるかもしれない。 この中でも重要な「考える」という思考の育成には、時間や労力、そしてスキルが必要である。このスキルの1つにリフレクション(省察)がある。リフレクションには実践中に「考える」reflection in action と実践を終えて「振り返って考える」reflection on actionが存在するといわれている(Tunner)。高度な看護実践者になると自分でreflectionすることも可能になるが、多くの看護師の臨床判断能力育成のreflectionには支援者が必要である。 支援者はタイミングに応じて発語(発問)をしながらreflectionを行う。発語(発問)とは支援者が学習者の学びを高める(深める)ために問いを投げかけるものである。問いは質問ではない。私たちは臨床現場で学習者に質問をする。それは一緒に考えているように見えて、教える側が誘導して正解を言わせる状況を作ってしまう。そうなると学習者は自分で考えず、支援者の頭の中を探って話すようになってしまいます。支援者は学習者の臨床判断能力をとらえながら、それを広げる発話(発問)を考えなくてはいけません。今まで受けてきた現任教育の変換時期に差し掛かるいまこそ、reflectionについて考えてみましょう。