第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

国内招請講演

[IL(J)2] 国内招請講演2

2019年3月1日(金) 10:35 〜 11:25 第4会場 (国立京都国際会館1F アネックスホール2)

座長:西 信一(兵庫医科大学病院ICU)

[IL(J)2] 無料統計ソフトEZR(Easy R)を用いた医療統計解析の実際

神田 善伸 (自治医科大学附属病院・附属さいたま医療センター血液科)

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平成3年 東京大学医学部卒業
平成3年 東京大学医学部附属病院内科
平成4年 JR東京総合病院内科
平成6年 都立駒込病院血液内科
平成10年 国立国際医療センター血液内科
平成12年 国立がんセンター中央病院幹細胞移植療法室
平成13年 東京大学医学部附属病院無菌治療部助手
平成17年 東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科講師
平成19年 自治医科大学附属さいたま医療センター血液科教授
平成26年 自治医科大学内科学講座血液学部門教授(兼任)
平成26年 自治医科大学臨床研究支援センター長(兼任)
 日常診療で生じた疑問(クリニカルクエスチョン)を既存の研究結果(エビデンス)では解決できない場合に臨床研究が必要になります。そして、臨床研究を実践する中で、過去の研究の妥当性を解釈する上でも自ら研究を遂行する上でも統計学の知識は不可欠です。生物統計家の少ない日本では、臨床医が自ら統計解析を実施する機会も必然的に生じます。市販の統計ソフトはいずれも個人で購入するには高価であり、解析方法もわかりにくいなどの難点があります。一方、Rは無料で用いることができるのでグループ内で共有するのに適していますし、既にFDAで用いられていることから信頼性も確かです。しかし、スクリプトの入力による解析は多くの人にとってなじみにくいという欠点がありました。そこで、Rの追加機能パッケージであるRコマンダーをRに導入し、さらに数多くの医療統計解析機能を組み込んで作成したのがEZR (Easy R)です。学会発表、論文発表を意識して作成したソフトですので、患者背景表や解析結果を発表形式に自動整形して出力するという機能も備えられています。EZRはさいたま医療センター血液科のホームページ(http://www.jichi.ac.jp/saitama-sct/)から無料でダウンロードできます。EZRの開発を報告した論文(http://www.nature.com/bmt/journal/v48/n3/pdf/bmt2012244a.pdf)は既に約2000編の英文論文に引用されています。
 今回の講演では、頻用される医療統計解析について、多変量解析、傾向スコア解析を含めてEZRでの解析方法を紹介します。