[JSY2-3] 心不全ガイドラインを集中治療管理に活かす,急性心不全編
日本循環器学会は2017年に心不全ガイドラインを改訂した。従来は急性心不全と慢性心不全で別のガイドラインを発表していたが,今改訂により両者をまとめて急性・慢性心不全ガイドラインとして発表された。本ガイドラインでは,急性心不全の初期対応から急性期対応のフローチャートが示されており,従来のNohria-Stevenson分類に加えて,初期10分以内にクリニカルシナリオ分類による病態評価が付け加えられている。初期評価では,呼吸不全の有無が重要で,呼吸の補助すなわち酸素化の改善をはかることが急務であるが,急性心不全治療の基本は,病態を踏まえながら酸素供給と需要のバランスの適性化をはかることにあり,それは集中治療領域で行われるショックの治療にも通ずるところがある。
また,これまで心原性ショックに広く用いられてきた大動脈内バルーンパンピング(Intra-Aortic Balloon Pumping, IABP)の有効性に疑問が投げかけらるようになり,一方で新しい補助循環装置,心内留置型ポンプカテーテル(Impella)が承認されたことを受け,今後の検討について言及している。しかしながら,Impellaが使用できる施設はまだ限られており,体外循環についても同様であろうし,病態や解剖学的理由からImpellaが使用できない場合もあって,まだIABPは使用され続けると思われる。本発表では,集中治療室で心不全診療に携わる際に,これらガイドラインの推奨と実臨床との関連について述べる。
また,これまで心原性ショックに広く用いられてきた大動脈内バルーンパンピング(Intra-Aortic Balloon Pumping, IABP)の有効性に疑問が投げかけらるようになり,一方で新しい補助循環装置,心内留置型ポンプカテーテル(Impella)が承認されたことを受け,今後の検討について言及している。しかしながら,Impellaが使用できる施設はまだ限られており,体外循環についても同様であろうし,病態や解剖学的理由からImpellaが使用できない場合もあって,まだIABPは使用され続けると思われる。本発表では,集中治療室で心不全診療に携わる際に,これらガイドラインの推奨と実臨床との関連について述べる。