第46回日本集中治療医学会学術集会

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教育セミナー(ランチョン)

[LS13] 教育セミナー(ランチョン)13

意外と簡単!論文を作成する超基本3ステップ:今日発表した看護研究・医学研究を論文にする方法

Sat. Mar 2, 2019 12:40 PM - 1:40 PM 第1会場 (国立京都国際会館1F メインホール)

座長:西田 修(藤田医科大学医学部 麻酔・侵襲制御医学講座)

共催:日本製薬株式会社

[LS13] 意外と簡単!論文を作成する超基本3ステップ:今日発表した看護研究・医学研究を論文にする方法

田上 隆 (日本医科大学多摩永山病院救命救急センター)

あなたは、ドキドキしながら、順番を待っていた。前の人の発表は、ほぼ聞いていない状態で、頭の中で繰り返し自分の発表の予演をしていた。1年前、急に上司から研究発表するようにいわれ、勤務時間外に夜な夜なデータを集め、四苦八苦しながら解析をおこない、抄録を出し、なんとかパワーポイントを間に合わせた研究の発表だった。心臓が口から出そうなほど緊張した発表のあと、一つ二つの質問に耐え、発表時間が終わってくれた。「やっと、終わった!さあ、ビールで乾杯だ!!」。
さて、上記はよくある光景かもしれません。ただ、ここで、もう一度「研究の目的」を思い出して欲しいです。何のためにやったのか?「上司にやれと言われた」「試しにやってみた」「京都に行きたかった」などいろいろと本音の事情はあると思います。ただ、あなたがやった医学・看護研究が、少しでも将来の医学の発展に貢献して、最終的にはその知見が将来の患者さんに役にたってほしい、そう思う気持ちがあるのであれば、まだもう一つ大事な仕事が残っています。
もうひとがんばりして、論文にして永遠にその結果を残しましょう。口頭発表のみで終わってしまったら、その時間にその発表会場に集まった限られた人にしか伝わりません。そして、残念ながら聞いてくれた人の多くは内容を数日で忘れてしまうでしょう。しかし、論文にしたら、時間も空間も超えて多くの人の役にたちます。いままでやった努力に比べれば、実は定型的な追加作業です。さあ、もうひとがんばりしませんか?
本教育セミナーは、主に、まだ論文発表をしたことがない方を対象にしています。つまり、医師・看護師・臨床工学技師などの業種を問わず「学会発表はしたことはあるけど、論文はまだ経験がない」という方が、論文作成・投稿・受理までに必要なプロセスに関して理解して、明日から直ぐに実行に移してもらうことが目的です。
医学論文の執筆は、①モチベーションを保ち、②伝えたいことを明確にし、③論理を展開していくこと、の「3つのステップ」が大事であると考えます。医学論文の構造のルール(1)を、近年発表したアンチトロンビン論文(2)を実例に解説させていただきます。
参考文献:
(1) International Committee of Medical Journal Editors: http://www.icmje.org/
(2) Tagami, T., et al., Antithrombin use and 28-day in-hospital mortality among severe-burn patients: an observational nationwide study. Ann Intensive Care, 2017. 7(1): p.18.