[LS21-1] 集中治療領域における4FPCC製剤の有用性―多発外傷からECPR症例までー
本邦では高齢化社会が進むにつれて脳梗塞患者が増加している。1996年にLancet・NEJMに掲載された論文から脳梗塞予防に対する抗凝固療法の有用性が、ステント血栓予防に対しては抗血小板薬の有用性が明らかとなった。しかし以後引き続いての課題は脳梗塞予防と出血性合併症とのバランスである。
集中治療室に入室するような重症の出血ではワルファリンのリバースとして新鮮凍結血漿やビタミンKが投与されてきた。2013年に血液凝固第Ⅱ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹ因子とプロテインC、Sを含んだ4FPCC製剤の有効性が報告された。(Circulation. 128:1234-43, 2013.)その後日本でも2017年3月に承認されて現在まで広く使用されつつある。
本製剤とFFPを比較すると①FFPのように融解の必要がないこと ②交差適合試験が不要であること ③ウイルス不活化がなされていること ④迅速に投与でき効果発現が早いこと ⑤投与量が少なく心負荷への影響が少ないこと などの利点があげられる。
集中治療室入室となる単純な脳出血に対する有用性は明らかであるが本セッションでは多発外傷やECPR(人工心肺装置を使った蘇生)などより複雑な病態での4FPCC製剤の有効性について自験例を交えて考えてみたい。
例えば多発外傷症例では単純な脳出血単独症例とは異なったマネージメント戦略が必要である。つまりワーファリンリバースのための4FPCCのみで十分ということはなく早期からのフィブリノーゲン補充など凝固能の破綻を防ぐべく早め、早めに対応しなければならない。また近年は集中治療室に入室患者も高年齢化し、ベースに低心機能や心筋虚血を抱える患者が増加している。ワルファリンのリバースで投与したFFPにて心不全が増悪してしまうことは避けなければならない。
本教育講演では集中治療室に入室するような重症な、複雑な症例におけるワーファリン内服患者の出血マネージメント戦略について考えてみたい。
集中治療室に入室するような重症の出血ではワルファリンのリバースとして新鮮凍結血漿やビタミンKが投与されてきた。2013年に血液凝固第Ⅱ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹ因子とプロテインC、Sを含んだ4FPCC製剤の有効性が報告された。(Circulation. 128:1234-43, 2013.)その後日本でも2017年3月に承認されて現在まで広く使用されつつある。
本製剤とFFPを比較すると①FFPのように融解の必要がないこと ②交差適合試験が不要であること ③ウイルス不活化がなされていること ④迅速に投与でき効果発現が早いこと ⑤投与量が少なく心負荷への影響が少ないこと などの利点があげられる。
集中治療室入室となる単純な脳出血に対する有用性は明らかであるが本セッションでは多発外傷やECPR(人工心肺装置を使った蘇生)などより複雑な病態での4FPCC製剤の有効性について自験例を交えて考えてみたい。
例えば多発外傷症例では単純な脳出血単独症例とは異なったマネージメント戦略が必要である。つまりワーファリンリバースのための4FPCCのみで十分ということはなく早期からのフィブリノーゲン補充など凝固能の破綻を防ぐべく早め、早めに対応しなければならない。また近年は集中治療室に入室患者も高年齢化し、ベースに低心機能や心筋虚血を抱える患者が増加している。ワルファリンのリバースで投与したFFPにて心不全が増悪してしまうことは避けなければならない。
本教育講演では集中治療室に入室するような重症な、複雑な症例におけるワーファリン内服患者の出血マネージメント戦略について考えてみたい。