[LS35-1] 末梢動脈圧測定用カテーテル<ビゴン アーテリアルリーダーキャス®>
―血管確保困難症例における有用性―
麻酔科医・集中治療医にとって周術期の血行動態評価は重要であり、合併症が多く重症な症例ほど、その必要性は増加する。重症患者では、しばしば血管確保困難を伴い、更に血管への留置後もその固定継続に困難を有する場合がある。特に透析患者など血管確保できる場所が限定されている場合や、Obesityなどにより挿入長や角度調節を必要とする症例では挿入するデバイスと部位の選択が重要となる。また、通常のテープ貼付では固定が困難となる皮膚損傷などを合併する患者では、縫合による固定が有益となる場合もある。高度肥満を伴う透析患者の開心術症例と広範囲熱傷患者における使用症例を提示し有用性について報告すると共に、高侵襲手術における動脈圧測定と周術期血行動態評価の意義についても検討する。
<症例1>42才女性。165㎝96㎏(BMI35)17才発症の2型糖尿病にて血液透析導入後10年経過し両側内シャント術を繰り返し施行されていた。無痛性心筋梗塞の診断で冠動脈バイパス術が予定されたが、周術期モニタリングに必要な両上肢の表在動脈は血管確保が困難であったが、適切な部位への挿入と固定により安全に使用し評価することができた。
<症例2>64才男性。自殺企図に伴う全身80%Ⅲ度熱傷と下大静脈損傷を伴う腹部刺創に対し減張切開と試験開腹術が行われた。皮膚損傷が高度であったため動脈圧ラインの採取固定に困難を要したばかりでなく、末梢静脈路確保と固定も工夫し継続使用することができた。
<症例1>42才女性。165㎝96㎏(BMI35)17才発症の2型糖尿病にて血液透析導入後10年経過し両側内シャント術を繰り返し施行されていた。無痛性心筋梗塞の診断で冠動脈バイパス術が予定されたが、周術期モニタリングに必要な両上肢の表在動脈は血管確保が困難であったが、適切な部位への挿入と固定により安全に使用し評価することができた。
<症例2>64才男性。自殺企図に伴う全身80%Ⅲ度熱傷と下大静脈損傷を伴う腹部刺創に対し減張切開と試験開腹術が行われた。皮膚損傷が高度であったため動脈圧ラインの採取固定に困難を要したばかりでなく、末梢静脈路確保と固定も工夫し継続使用することができた。