第46回日本集中治療医学会学術集会

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看護交流集会

[NS1] 看護交流集会1
(看護ガイドライン委員会企画) 口腔ケアガイドの活用

Sat. Mar 2, 2019 10:50 AM - 11:50 AM 第19会場 (グランドプリンスホテル京都B2F プリンスホール2)

座長:明神 哲也(東京慈恵会医科大学医学部看護学科), 山中 真知子(京都第一赤十字病院)

[NS1-1] 口腔ケアガイドの活用法-視点を変えてさまざまな場所で活用する-

伊藤 貴公 (平塚共済病院 看護部 集中治療室)

ライブ配信】

 「人工呼吸器関連肺炎予防のための気管挿管患者の口腔ケア実践ガイド(案)」は現在、最終調整を行っている段階にあります。他の学会で、同一テーマで発表させていただきましたが、繰り返しますが本ガイドはあくまでもガイドなので、このように実践しなさい、ではなく上手く活用してください、といったスタンスで読み解いていただけると幸いです。 前述した学会で、ガイドをICU等で活用する為に、当院での経験と乗り越えてきた課題を元に、物品の課題・人材育成の課題・定着するための方策につき発表させていただきました。物品に関して、口腔ケアの目的を達成するために、まずは手元にあるもの、簡単に手に入る物をうまく活用しましょう。当院では、新たな物品を採用する場合、さまざまな順序を踏む必要があり、時間と労力がかかります。そこに時間を費やすことで、手順の定着にさらに時間と労力を要し、ガイドをうまく活用できない可能性があります。なので、まずは口腔ケアの目的を十分に理解し、すぐに利用できる物品、すでに採用されている物品、患者家族が簡単に購入できるような物品を使用する方法を、考えると良いでしょう。 人材育成に関して、重要なのは「やり易さ」と、「患者の結果」と考えます。簡便な方法でかつ結果が良ければ、自然と方法が定着していきます。しかし独自の方法を、志を持ち実践しているスタッフが一人位いるのがICUです。そのような場合には、ガイドを活用し「皆が同じ手順で継続してできること」の大切さを伝えましょう。ガイド内の維持ケアのように、簡単な方法で定期的に実践することが伝わると良いのではないでしょうか。 定着に関しては、人材育成と同様「やり易さ」「患者の結果」に加え「スタッフの達成感」が上げられます。さまざまな方法ですべてのスタッフが達成感を得るように、フィードバックできれば良いのではないでしょうか。 そして最後に、視点を変えた活用方法として、一般病棟での活用法です。なぜ一般病棟なのかというと、まず人工呼吸器装着患者へICU看護師が行う口腔ケアでは誤嚥の予防が重要です。一般病棟には誤嚥性肺炎患者がおり、その多くは口腔内汚染があり口腔内分泌物の不顕性誤嚥により肺炎を招き悪化させています。そのようなケースでは、このガイドは使える!と考えたからです。二つ目に、一般病棟ではICU以上に口腔ケア方法に困っている現状があります。当院のように口腔ケアの専門家(歯科医や歯科衛生士、摂食嚥下認定看護師等)不在の場合、一般病棟ではガイドや簡便な方法を求めています。一昨年度の一般病棟での口腔ケア取り組みの経験を一部紹介させていただきます。